代表者挨拶

私たちのビジョン

私が日本資産運用基盤グループ(JAMP)を起業するに至った背景には、20代後半から30代にかけての8年間、日系運用会社の駐在員としてロンドンで働いていたときに欧州の金融ビジネスエコシステムを間近で見た原体験があります。

当時すでに欧州の金融業界では、少人数のチームがその専門性を強みに、大手金融機関の機能やシステムを借りて独自の金融サービスを創り提供する金融ビジネスが、ごく一般的になっていました。小さいことはハンディではなく、強みさえあればむしろ身軽に、柔軟に、創造的な金融ビジネスができる環境にあったのです。私は、すぐにでも同じような金融のビジネス環境を日本で創りたいとロンドンを離れ、その3年後の2018年、JAMPの設立に至ります。

日本の金融業界はいま、事業環境の変化で、従来の金融事業モデルでは立ちいかなくなっています。一方で、情報・金融技術の進展により、これまでにない金融サービスが業界の枠を超えて続々と生まれています。今後、数年で、金融業界の事業構造や勢力図は再編され、現在のものとは大きく異なるものになっていると思われます。

しかし、同時に日本の金融業界は、この変革を妨げる二つの構造問題を抱えています。一つは、「金融専門人材の偏在」。もう一つは、従来型の「硬直的な垂直統合事業モデル」です。金融機関が各々独自に事業構造を創り上げることで安定性を保っていた伝統的な運営モデルが、逆に業界全体の流動性を阻害して硬直化につながり、業界全体に、金融の専門人材やシステムの事業リソースの余剰と不足、非効率を招いています。このままでは、日本の金融業界全体に著しい停滞を生み出しかねません。

変革と再編の流れを加速させるには、この二つの問題を早急に解決することです。そのためには、金融業界全体で、いまある貴重な金融事業リソースを均し、シェアし合う発想に立って根底からビジネス環境を変えていく必要があると考えます。これまでの一から事業構造を創り上げる自前主義を脱し、もっと身軽に、新たな金融ビジネスを立ち上げようとする事業者は自分たちが必要とする事業リソースを効率的に調達でき、逆に、ポテンシャルのある事業者もまたそこから新たなビジネスを生み出せる。このビジネス環境を創り出すために、私たちJAMPは、「金融創造のプラットフォーム」というポジションを選び取りました。

「高度な金融専門性」を最大限活用し、いまある事業リソースの価値を最大限引き出しながら、新たな金融ビジネスの基盤作りをサポートするコーディネーターとして、金融業界の革新を牽引いたします。

JAMPが目指すのは、金融ビジネスがもっと創造性豊かに躍動できる世界です。金融に関わる事業者が、各々の強みを活かし金融ビジネスにチャレンジできる。トライ&エラーを恐れない。その環境が整ったとき、金融が獲得するのは、さらなる創造性です。多様な金融プレーヤーが切磋琢磨し、多彩な金融サービスで競い合う世界です。そこで実現される革新を通じ、社会が手にする新たな金融の力こそが、私たちの暮らしをもっと豊かに、創造的なものにする。私たちJAMPは、そんな未来を見据えています。

代表取締役社長大原啓一

大原啓一
経歴
2003年東京大学法学部卒。2010年ロンドンビジネススクール金融学修士課程修了。野村資本市場研究所を経て、2004年に興銀第一ライフ・アセットマネジメント(現アセットマネジメントOne)に入社。日本・英国で主に事業・商品開発業務に従事。同社退職後、マネックスグループ等から出資を受け、2015年8月にマネックス・セゾン・バンガード投資顧問を創業。2016年1月から2017年9月まで同社代表取締役社長。2018年5月に日本資産運用基盤株式会社を創業し、代表取締役社長に就任。

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